風邪でダウンしていました。
ぐったり寝込んで、全ての作業をストップしていたのですが、意外に心地よく感じました。
個人事業主のクリエイターである私は、常日頃どんな場面でも、「これは次の仕事のアイデアにつながるかもしれない。」という目で物事を見る癖が染み付いていて、常に気を張っているような気がしていました。
3日くらい寝込んでいたこの期間、そんな精神状態から一度解放されたような感じがして、体調はすぐれないものの、精神的にはとても休まりました。
ちょうど直近で、精神科で調整していただいた睡眠薬もバッチリ効き目があって、ぐっすり深く眠ってリフレッシュした3日間でした。
なんだかリセット、またはリフレッシュしたような気持ちで、これなら風邪を引くのも悪くないかもしれないなんていう、ちょっと皮肉な感情を抱きました。
39度の熱で、すべてを止める
先日、39度台の発熱があり、風邪で寝込んでいました。
普段なら、多少体調が悪くても「これくらいなら仕事はできる」と考えてしまうところですが、今回はさすがに無理でした。
パソコンを開くことも、写真を整理することも、記事を書くことも、その他の細かな作業も、すべてストップ。
ただひたすら布団に入って、眠って、目が覚めたらまた眠る。
そんな数日間を過ごしました。
個人事業主として仕事をしていると、「今日は休み」と自分で決めない限り、仕事はどこまでも続けられてしまいます。
会社のように始業時間も終業時間も決まっていなければ、「今日はここまで」と区切ることも意外と難しい。
しかも、仕事そのものをしていない時間でさえ、頭の中では仕事のことを考えていることがあります。
私の場合、それがかなり習慣化していました。
街を歩いていても、「これは写真の素材になるかもしれない」。
何かを見ても、「これを次のコンテンツに使えないだろうか」。
日常生活の中で起きることを、いつの間にか「仕事につながるかどうか」という視点で見るようになっていたのです。
もちろん、それはクリエイターとして必要なことでもあります。
新しいものを見つけたり、アイデアを考えたりすることは、仕事の大切な部分です。
けれど、それが常に続いているとしたら。
もしかすると、知らないうちに心まで仕事モードになっていたのかもしれません。
そんなことに気づいたのは、皮肉にも39度の熱で何もできなくなったときでした。
何もしないことが、こんなに心地よかったとは
3日ほど寝込んでいる間、仕事に関することをほとんど考えませんでした。
というより、考える余裕がありませんでした。
体は重いし、熱もある。
起きているだけでも疲れるので、何かをしようという気持ちにならない。
だから、仕事をしない。
パソコンを開かない。
写真を撮らない。
情報収集もしない。
「何か役に立つことをしなければ」と考えることすらしない。
ただ休む。
それだけです。
ところが、そんな状態が意外にも心地よかったのです。
体調そのものはもちろん良くありません。
それなのに、精神的には普段よりずっと穏やかでした。
そこで初めて、「自分は思っていた以上に、ずっと気を張っていたのかもしれない」と感じました。
仕事をしている時間だけが仕事ではなかったのです。
何かを見つければ仕事につなげようとし、何かを思いつけばメモしておこうとする。
休憩しているときにも、「この時間で何かできるのではないか」と考えてしまう。
そんな小さな緊張が、毎日の中にずっと積み重なっていたのでしょう。
今回は風邪によって、その状態から強制的に切り離されました。
自分の意思ではなく、39度の熱に「もう仕事をするな」と言われたようなものです。
そして、仕事から離れてみて初めて、離れることそのものが休息になるのだと気づきました。
さらに、調整していただいた睡眠薬もしっかり効いて、深く眠ることができました。
眠って、目が覚めて、また眠る。
そんな3日間。
何かを生み出したわけでもありません。
成果を上げたわけでもありません。
むしろ、何もしていません。
でも、今振り返ると、この「何もしなかった時間」こそが、この数日間で一番大きな収穫だったように思います。
たまには「何もしない時間」も必要なのかもしれない
熱が下がり、少しずつ普段の生活に戻ってくると、不思議な感覚がありました。
もちろん、仕事はたまっています。
止めていた作業もあります。
やらなければならないことを考えれば、休んでいる場合ではなかったのかもしれません。
それでも、どこか頭の中がすっきりしていました。
リセットされたような。
あるいは、長時間使い続けていた機械を一度電源から落として、再起動したような。
そんな感覚です。
今回のことで、「休む」ということについて少し考え方が変わりました。
これまでは、休むというと「仕事をしない時間」くらいに考えていました。
でも、本当の休息というのは、単に作業を止めるだけではなく、仕事について考えることからも離れることなのかもしれません。
特に、私のような個人事業主やクリエイターは、仕事と生活の境界が曖昧になりやすいと思います。
好きなことを仕事にしているからこそ、仕事なのか趣味なのか分からなくなることもあります。
「仕事につながるかもしれない」という視点は、クリエイターにとって武器になる一方で、四六時中その状態でいると、心が休むタイミングを失ってしまうこともある。
今回、風邪という思わぬ形ではありましたが、そのことに気づくことができました。
もちろん、39度の熱を出すことをおすすめするわけではありません。
できれば、健康な状態で休みたいものです。
それでも、今回の3日間を振り返ると、少し皮肉な気持ちになります。
「風邪を引くのも、たまには悪くないのかもしれない」と。
そんなことを思ってしまうくらい、久しぶりに心から仕事から離れることができたからです。
忙しい毎日を送っていると、「休む時間があったら、その分仕事を進めたい」と考えてしまいます。
でも、もしかすると、何もしない時間は決して無駄ではないのかもしれません。
何かを生み出すためには、何も生み出さない時間も必要なのだと思います。
今回の風邪は、できればもう経験したくありません。
けれど、強制的に立ち止まった3日間から得た「休むことの大切さ」は、これからの自分の仕事や生活に、少しだけ生かしていきたいと思っています。




