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[千葉県]いすみ鉄道350形気動車:RSJP0012

[千葉県]いすみ鉄道350形気動車:RSJP0012
いすみ350形気動車

東京ディズニーリゾートをはじめ、成田山新勝寺や九十九里浜など多彩な観光地が魅力!新鮮な海の幸、房総の菜の花、甘い落花生も自慢。温泉地や鴨川シーワールドでは癒しと楽しみがいっぱい。都会と自然が調和する千葉県で特別な時間をお過ごしください!

撮影地:いすみ鉄道 大多喜~小谷松間
2022-11-18

いすみ鉄道:房総半島を彩るローカル線の再生物語

いすみ鉄道(いすみてつどう)は、千葉県夷隅(いすみ)郡大多喜町に本社を置く第三セクター方式の鉄道会社で、旧国鉄の木原線を転換して1988年に開業しました。運行路線はいすみ線(大原駅〜上総中野駅、全長26.8km)で、房総半島の田園風景や里山を走り抜けるローカル線として親しまれています。

路線は、JR外房線の大原駅と小湊鐵道の上総中野駅を結び、房総横断観光ルートの一部としての役割も担っています。

歴史と再建の取り組み

いすみ鉄道は、国鉄再建法に基づき廃止された木原線の代替として誕生しましたが、開業以来、慢性的な赤字に悩まされてきました。2009年には累積赤字が約6億円に達し、経営危機が深刻化します。

この窮状を打開するため、同年に公募で元出版社編集者の鳥塚亮氏が社長に就任。観光鉄道への大胆な転換が図られました。

車両と観光施策

鳥塚体制下でのいすみ鉄道は、観光資源としての鉄道を徹底的に活用する方針を打ち出しました。象徴的な施策が、以下のような観光向け車両の導入と活用です。

  • キハ52形ディーゼルカー:旧国鉄形車両を譲受・復元し、ノスタルジーを刺激する観光資源として活用。
  • キハ28形(急行列車):昭和レトロな急行列車体験を提供。沿線の地産食材を使用した「伊勢海老特急」などのグルメ列車も好評。
  • ムーミン列車:ラッピング車両によるファミリー層向け観光の強化。

また、菜の花・桜シーズンや田園風景を活かした写真映えスポットも注目され、多くの鉄道ファン・カメラマンが訪れます。

地域との連携と経済効果

いすみ鉄道の再建は、鉄道だけでなく地域振興の成功事例としても知られています。地元自治体や商工会と連携し、観光列車に連動したイベントや物産販売、沿線地域のブランディングを推進しました。

[例]

  • 大多喜町の城下町観光との連携
  • 地元産伊勢海老を使った食事列車の運行
  • フォトコンテストや鉄道まつりの開催

これにより、沿線への観光客は大幅に増加し、鉄道の利用者数も回復傾向を見せました。

経営の課題と今後の展望

鳥塚氏は2019年に退任しましたが、その後もいすみ鉄道は観光鉄道としての路線を維持しつつ、地域交通としての役割も模索しています。とはいえ、人口減少や運転士不足、インフラ老朽化といった課題も山積しており、持続可能な経営のあり方が問われています。

近年では、地元高校との連携授業や移住者向けツアーなど、地域共生型鉄道の取り組みも始まっています。さらに、外国人観光客への対応として英語案内やSNS発信も強化されています。

2024年に国吉駅~上総中川駅間の脱線事故の影響により、2025年現在も全線で運転を見合わせている状況です。

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(c)HiLens画像素材 PIXTA –

いすみ鉄道が走る鉄橋と大多喜城

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(c)HiLens画像素材 PIXTA –

紫陽花が咲くいすみ鉄道沿線

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