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[埼玉県]JR宇都宮線「カシオペア紀行」:RSJP0011

[埼玉県]JR宇都宮線「カシオペア紀行」:RSJP0011
国鉄EF81形電気機関車

歴史を感じる川越の「小江戸」や、美しい自然が広がる長瀞渓谷、迫力満点の鉄道博物館など見どころが満載の埼玉県。秩父では温泉や芝桜の絶景を楽しめ、名物の「十万石まんじゅう」や「草加せんべい」もぜひ味わってみてください。東京からのアクセスも抜群です。

撮影地:JR宇都宮線 東大宮〜蓮田間
撮影日:2022-4-9

寝台特急カシオペア号:豪華寝台列車の象徴

寝台特急「カシオペア」は、1999年から運行を開始した、上野駅(東京)~札幌駅(北海道)間を結ぶ豪華寝台特急列車です。かつてのブルートレイン文化を受け継ぎながら、全室個室・ホテルのような車内設備を備えた「走る高級ホテル」として、多くの鉄道ファンや旅行者から人気を集めました。

列車名は北天に輝く「カシオペア座」に由来し、「夜空の旅」を演出する寝台列車としてのイメージを象徴しています。

運行の背景と目的

カシオペアは、老朽化が進んだ「北斗星」(1988年運行開始)に代わる次世代の高級寝台特急として、JR東日本とJR北海道の共同事業として開発されました。

主な目的は以下の通りです:

  • 寝台列車文化の再活性化
  • 東北・北海道観光の促進
  • 豪華志向の旅行市場への対応

当初は週数便の定期列車として運行され、特に夏季や年末年始などの繁忙期には満席になることも多く、人気の高さを物語っていました。

使用車両と編成

カシオペア号の魅力の一つが、特別に設計された専用車両「E26系客車」です。以下のような特徴があります:

  • 全室個室(定員100名程度)
  • スイート・デラックス・カシオペアツインなど複数のグレード
  • 専用食堂車「ダイニングカー」でのコース料理提供
  • シャワールーム、ロビー、展望スペースも完備

特に「カシオペアスイート展望室」は展望窓付きの最高級客室で、抽選になるほどの人気を誇りました。

牽引機関車も話題性があり、JR東日本区間ではEF81形電気機関車、北海道区間ではDD51形ディーゼル機関車の重連が担当し、鉄道ファンの注目を集めました。

運行ルートと所要時間

カシオペアは以下の経路で運行されていました:

上野 → 大宮 → 仙台 → 盛岡 → 青森 → 青函トンネル → 函館 → 札幌

  • 総距離:約1200km
  • 所要時間:約16~17時間(時期により変動)
  • 出発は夜、到着は翌日の午前中という「一晩の旅」

沿線の車窓風景も魅力で、朝の北海道内では雪景色や牧歌的な風景が広がり、非日常感を楽しむことができました。

定期運行終了と「カシオペア紀行」へ

しかし、2016年3月の北海道新幹線開業に伴い、青函トンネルを通る在来線(海峡線)の旅客列車運行が大幅に見直され、カシオペアも定期運行を終了しました。

その後は、団体専用列車「カシオペア紀行」として、不定期運行が継続されました。主に次のような形で運行されています:

  • 上野~札幌間の特別ツアー列車
  • 上野~函館、東北各地、信州方面などへの観光列車としても運行
  • 専用旅行商品として、びゅうトラベルサービスなどで販売

ツアー形式での運行により、需要に応じた柔軟なスケジュールが可能となり、車内食事・観光地での下車観光などを組み合わせた豪華な旅が提供されています。

カシオペアの意義と現在

カシオペア号は、ただの寝台列車ではなく、「時間を楽しむ旅」を提供する存在として、日本の鉄道旅行文化の中でも特別な位置を占めています。

その存在意義は以下の通りです:

  • 寝台列車衰退期においても高級志向の市場を開拓
  • 日本の鉄道技術・おもてなしの粋を集めた存在
  • 豪華列車(四季島・ななつ星等)誕生の先駆け

東日本各地で運行された「カシオペア号」は、特別な記念旅行や贅沢な鉄道旅を楽しみたい人々に支持された乗り物です。

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(c)HiLens画像素材 PIXTA –

JR東日本E26系客車

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(c)HiLens画像素材 PIXTA –

EF64-37が先頭を担う長野行きの寝台列車「カシオペア紀行」

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